こんにちは。えいこ(@eiko_dokusho)です。
読書マラソン三冊目は、2018年に有村架純さん主演で映画化された「コーヒーが冷めないうちに」です。
ネタバレはありません。
今回読んだ本
「コーヒーが冷めないうちに」
川口俊和 著 サンマーク出版 348ページ(残り41,050ページ)
「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」
とある街の、とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった
その席に座ると、その席に座っている間だけ
望んだ通りの時間に移動ができるという
「コーヒーが冷めないうちに」 川口俊和
喫茶店「フニクラフニクラ」を舞台に起こった、『恋人の話』『夫婦の話』『姉妹の話』『親子の話』の四つの話が繰り広げられます。
作者の川口さんは脚本家なので小説というよりかは、舞台の台本を読んでいる感じです。
作者 川口俊和さんってどんな人?
1971年生まれ。大阪府茨木市出身。
元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。
本作の元となった舞台、1110プロヂュース公演「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞。本作が小説家デビュー作。
2017年本屋大賞にノミネートされた。
望んだ通りの時間に移動ができるとしたらなにをしますか?
この小説は、望んだ通りに時間が移動できるいわゆるSF的な要素が入っています。
タイムトラベルするためのルールとして、
- この喫茶店を訪れたことの無いものには会うことができない
- どんな努力をしても、現実は変わらない
- (タイムトラベルできる)席には先客がいる 席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
- その席を立って移動することはできない
- (タイムトラベルできるのは)コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
このルールの中でこの本に出てくる人々がそれぞれの物語を紡ぎ出します。
現実が変わらないなら意味がない?
誰かが「いなくなってしまう」「病気にかかってしまう」という現実は変えられない。
そんな、タイムトラベルは意味があるのか?
第四話の主人公はこう気がつきます。
やっとわかった
(中略)
現実が変わったわけじゃない。(中略)変わったのは「心」。(中略)
心一つで、人間はどんなつらい現実も乗り越えていけるのだから、現実は変わらなくとも、人の心が変わるのなら、この椅子にもきっと大事な意味がある...
「コーヒーが冷めないうちに」川口俊和
現実は変わらなくても、自分の伝えたかったことをきちんと伝えることで何かが変わる。
”今”を大切に生きよう!
現実世界では、タイムトラベルはできません。
この物語を読んで、「あの時こう言っておけばよかった!」「これもできなかった!」と後悔しないように”今”を大切に生きようと思いました。
日々の生活に追われている中、夫には「結婚してくれてありがとう」の気持ち、娘たちには「私たちの元に生まれてきてくれてありがとう」という気持ちをきちんと伝えられていません。
口に出して言うのは恥ずかしいことを「きちんと伝えよう!」と思わせてくれた小説でした。