子どもはどうやって「ことば」を習得するのかーちいさい言語学者の冒険

0歳と2歳の子どもを育てている、理系研究者ワーママのえいこです。上の子は1歳くらいから言葉(らしきもの)を喋り始めて、今や言葉が達者で大人との会話がそこそこ成立するようになっています。

でも、

どうやって子どもたちは言葉を習得して行くんだろう?
私たち親が五十音の「あいうえお」から教えているわけでは無いのに、どうして喋れるようになるんだろう?

と日々の成長に疑問を感じるようになりました。この、変な疑問に答えてくれる本があるんんです!東京大学大学院の言語学の教授で、ご自身も母親である広瀬友紀さんが書かれている「ちいさい言語学者の冒険〜子どもに学ぶことばの秘密〜」。

私が毎月購読している「日経サイエンス」という科学雑誌に紹介されていたので、早速購入してしまいました。この本の帯にはこんなことが書かれています。

子どものアタマの中で今まさに起きていること

私たちのアタマの中でかつて起きていたこと

日ごろ当たり前のように使っている「ことば」って何?

「ちいさい言語学者の冒険」より

 

私たちが普段使っている、「ことば」って何?何も知らない子どもたちはどうやって「ことば」を習得していくの?気にも留めないような疑問かもしれませんが、考えてみるとそこには深い「ことば」の世界が広がっていました

自分の子どもの「ことば」の間違いに注目してみると、日々の生活が楽しくなるかもしれませんよ。

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言語学者による普通のパパママのための本

 

この本は、岩波科学ライブラリーから出版されています。普通の岩波文庫などとは違って、学問的な研究を一般の人にもわかりやすく伝えるために、1993年に創刊されたシリーズです。

著者である広瀬友紀さんは、ニューヨーク市立大学にて言語学博士号(PhD. in Linguistics)を取得後、電気通信大学を経て、東京大学大学院の准教授から教授になられています。

専門の研究分野は、心理言語学・とくに言語処理。大人でも子どもでも、習得済み、またはその途上の言葉の知識が言語理解の現場でどのように使われるのかを実験を通して探っているようです。

ちょっと難しそうな研究をされている方なんですね

ご本人も「言語学者」ということで、お子さんが生まれてからは子どもがどんなふうに「ことば」を習得していくのか興味津々!(子どもが研究材料となって)この本が書き上げられたと言っても過言ではありません。

研究室のHPにも、広瀬さんのお子さんの言葉に関する小ネタが載っています。例えば、「しゃかい」→「社貝」(どんな貝やねん!というツッコミ入り)、「かえる とちゅうの」→「かえるとチュー」などなど...

ちょっと覗いてみると、「家でも言ってる!」という、あるあるネタの宝庫では無いでしょうか?

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「ちいさい言語学者の冒険」は専門書とは大違い!

科学の最先端の研究が書かれている本と言われると、ちょっと難しそう...と躊躇してしまうかもしれません。「ちいさい言語学者の冒険」のスタンスは、

実際に自分が見聞きして得られたナマの観察からどんなことが伝えられそうか、ということを第一に考えて書きました。(要するに、単純に、面白いから聞いて欲しい、というネタありき、です。)

「ちいさい言語学者の冒険」より

 

「ねぇ、聞いてき聞いて!家の子こんな変なこと言ってたんだけどー!」といった感じで書かれています。読み手も「わかるわかる!うちの子も変なこと言っている!」とか「うちの子も大きくなっていったら、変なこと言うのかな?」と気楽な感じで読めるのも魅力です。

著者が専門家なので子どもの言い間違い一つにも、専門的な解説が書かれていて「ふーん、そんな分野の研究もあるんだ」という感じで知っておくのも良いかもしれません。

日々の生活でも、娘の言い間違いやヘンな日本語を書き留めておくようになってあとから振り返ると「変なこと言っていたなー」とか「いつの間にかちゃんと言えるようになってる!」とか成長を感じられます。

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わが家の冒険中の言語学者を紹介!

2歳の長女の面白い日本語をいくつかまとめてみます。

ヨーグルト、あつまれ!

これは上の子が2歳過ぎたくらいの出来事です。

ヨーグルトを食べていて、スプーンが上手にまだ使えず器の底にまだヨーグルトが残っています。ヨーグルトは大好きなので残っているヨーグルトも食べたい!

そんな時に娘が言った言葉は、

「ねー、ヨーグルト、あつまれしてー」。

思わず私は、「ヨーグルト、集まれー!」と声をかけてしまいました...

娘には「ちがう!!!」と怒られてしまいましたとさ。

ちいさな言語学者p.46にこの現象の解説あり!

かにに刺されないように!

2歳の誕生日から数ヶ月経った時の出来事。夏も真っ盛り、蚊がたくさん飛んでいる時期で、外に出る時には虫除けスプレーを塗っていました。

私「蚊に刺されちゃうから、ちゃんと虫さん来ないで(虫除けスプレー)塗ろうね」

娘「うん」

塗り塗り塗り塗り....

娘「かにに刺されちゃうから、虫さん来ないで塗るの?」

母「“蚊”に刺されちゃうからだよー」

 

他にも、「かがが刺す」などもバリエーションもあります。

ちいさな言語学者p.29にこの現象の解説あり!

にしやつまに買い物に行こう!

洋服にこだわりを持ち始めた2歳半を過ぎたころ。キラキラ光るドレスが欲しいと母にベッドで訴えるシーン。

娘「○○ちゃんに、ドレス買ってー」

私「ドレスが欲しいの?」

娘「キラキラ光るドレス買ってー」

私「キラキラ光るの?!」

娘「キラキラ光る素敵なドレス買ってよー、にしやつまで!

私「ん?」

娘「お母さん、にしやつまで買って!!」

一瞬、「にしやつま」がなんなのかわからなかったのですが、よくよく聞いてみるとベビー用品店の「西松屋」のことでした。

これは、「Ni-shi-ma-tsu-ya」が「Ni-shi-ya-tsu-ma」になっているのですが、「m」と「y」の子音が入れ替わっているんですね。他にも『はらぺこあおむし』を読んでいる時に、「カップケーキ」を「パックケーキ」と言っていたり(わが家の娘の例)、「シャカシャカ」を「カシャカシャ」と言うのも同じ現象で説明できるそうです。

ちいさな言語学者p.31 にこの現象の解説あり!

言い間違いは成長の証

同じような可愛い言い間違いは、どのお子さんでもしている気がします。それは、子どもたちが一生懸命「ことば」を習得している過程であって、試行錯誤をしているところなのです。

「正しい日本語」を教えてあげつつ、この言い間違いも愛おしいなと感じでいます。この本の前書きにはこんなことが書いてあります。

私たち大人が自力で思い出せない、「ことばを身につけた過程」、直接のぞいてみられない「頭の中の言葉の知識のすがた」を、子どもたちの助けを借りて探ってみましょう。

ちいさい言語学者の冒険 まえがきより

自分たちが、どうやって自分たちの言葉を話せるようになったかなんて大人になったらすっかり忘れてしまいます。子どもたちは教えてもらうことなく、トライアンドエラーを恐れずにどんどん話して言葉を習得して行くのです。

失敗を恐れずに、挑戦し続ける子どもの様子に感動すら覚えるようになれるこの作品。わが子の「言い間違い」が気になったら、ぜひ手に取ってみることをお薦めします。

 

自分の子どもも、日本の最先端の研究に参加させることができるんです!

「ちいさい言語学者の冒険」を読んだ、わが家の言葉の教育方針

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