ジブリ作品はディズニーよりも子どもに優しい!
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0歳と2歳の子どもたちを育てているワーママのえいこです。

最近、2歳の娘はディズニーの「プリンセスシリーズ」にハマっていて、プリンセスの物語を見せてあげようということで、ディズニー作品を一緒に見たりしています。ジャスミンの出てくる『アラジン』やアリエルが出てくる『リトル・マーメイド』など、私たち親世代からしたら懐かしい作品ばかり!でも、うちの子はディズニーの作品を泣かずに見られたことは1度もありません

また、友人の子どもは映画『アナと雪の女王2』を最初から最後まで泣きながら見ていたと言っていました。大人からしたらそんなに怖いシーンではないと思うのですが、どうして子ども達は泣いてしまうのでしょうか?

一方、ジブリ作品の『となりのトトロ』などは何回も見ているのですが途中で泣くことはなく、最後までしっかり見られるのです。ディズニーもジブリもどちらも子どもも大人も楽しめて、世界的に愛されている作品が多いですよね。ジブリは日本発祥、ディズニーはアメリカ発祥と、バックグラウンドが違うのですが、おそらくこの違いが(わが家の)子どもたちの作品への印象も違うものにしているのではないかと思いました。

今回は、ジブリとディズニーの違いについて考えてみました。

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ディズニーとジブリの歴史

ディズニーの歴史

ディズニーを創設したウォルト・ディズニーは1901年、アメリカ合衆国シカゴに生まれます。

1920年、19歳のときに独立して個人事務所を設立。フリーランスの製作者として活動を開始

最初のオリジナルアニメ作品は、質が高く高評価を受けて仕事がどんどん舞い込むが、作品制作に没頭するあまり資金繰りが苦しくなり、最終的にはスタジオは倒産することになってしまった。その後、再起を図って映画の本場、ハリウッドへと移住する。

ハリウッドでは、兄と協力して『不思議の国のアリス』シリーズの続編商品を販売する「ディズニー・ブラザーズ社」を興す。(「ディズニー社」の前進)

その後のディズニーの成功は言わずもがな。ミッキーマウスというヒーローを生み出して大成功を収めることになります。

ジブリの歴史

ジブリを創設者した宮崎駿は1941年東京都東京市で生まれます。

絵がずば抜けて上手かった宮崎は、手塚治虫などの漫画が大好きで、”漫画少年”でもありました。

大学を卒業後、東映動画に入社しソ連制作の長編アニメーション映画『雪の女王』に感銘を受け、アニメーターとしていきていくことを決意。

様々な下積み経験を経て(『未来少年コナン』『ルパン三世』『アルプスの少女ハイジ』などの作品を産み出しています)、1984年(宮崎駿43歳のとき)に『風の谷のナウシカ』が公開。

翌年、スタジオジブリがスタートする。

1988年『となりのトトロ』『火垂るの墓』を同時公開。興行成績は今ひとつながら、作品に対しては高い評価を得て『となりのトトロ』はその年の日本国内の映画賞を総ナメにしました。

そこからのスタジオジブリ作品は飛ぶ鳥を落とす勢いでヒットを産み出し、現在に至るわけです。

 

とまぁ、ウォルト・ディズニーは若干20歳で会社を立ち上げて大成功するという”アメリカン・ドリーム”を体現していて、宮崎駿は40歳過ぎてから成功するという大器晩成型でとても日本人好みの経歴を持っています。両者ともに、子どもから大人まで楽しめるエンターテイメントを作りたいという理念を持っているというのは興味深いことです。同じ理念を持っているのに、日本人の子どもはなぜ、ディズニー映画を見ると泣いてしまって最後まで見られず、ジブリ作品は泣かずに最後まで見られるという違いが生まれるのでしょうか?

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ディズニー映画は「勧善懲悪」と「アメリカ的」

まずディズニーの映画作品はなぜ、世界中の子ども達に人気があるのでしょうか?

その理由は2つあるのではないかと思っています。一つ目は、ストーリーが単純でわかりやすいから。主人公のヒーローがいてヒロインがいて、ヒーローとヒロインに対して悪役がいて、ヒーロー(時にはヒロイン)が悪役を倒してハッピーエンド、と言うのが基本的なストーリー構成です。ピーターパンにしても、アラジンにしても、リトルマーメイドにしても基本的には同じ。

 

ここで重要なのは、ストーリーに必ず「悪役」が登場すること。その「悪役」が最後には倒されること。です。

この、わかりやすい「悪者」の登場で子どもたちは大泣きしてしまうのです。親からしたら、最後には倒されるし、ハッピーエンドなんだからそんなに泣かなくても...と思うのですが、子ども達はそうはいきません。特に、クライマックスの悪者がすごい強くてヒーローやヒロインを追い詰めるところなんて、もうダメです。確かに、アラジンのジャファーや、リトルマーメイドのアースラは最後に大きくなるし、悪い笑い声だし、大人でも怖いですもの。結局は最後に、勇敢なヒロインやヒーローが悪役を倒して、ハッピーエンド。「勧善懲悪」ストーリーなので、子どもからしてもとてもわかりやすいストーリー仕立てになっています。

二つ目は、アメリカ的ドキドキハラハラが続くから。最近のディズニー作品はものすごいスピードでストーリーが展開していって、ついていけないこともあります。が、『ピーターパン』も『リトルマーメイド』も『美女と野獣』も『アラジン』も「緊張と緩和」の連続です。『リトルマーメイド』の例で少し見てみましょう。

トリトン王主催のコンサート(緩和)→アリエルがいない!アリエルとフランダーが沈没船探索(ハラハラ)→サメに見つかって追いかけられる(緊張)→無事に逃げられる(緩和)

このようにディズニーの映画には、視聴者を飽きさせないための戦略として「緊張と緩和」が随所に用いられています。ただ、この「緊張」が子どもには”怖い”と言う印象を与えるようで、「緊張」のシーンになると大泣きしてしまいます。「緊張と緩和」の振れ幅が大きいのはなんともアメリカ的なエンターテイメントだなと感じます。

ディズニーの映画は

  • 必ず「悪役」が登場する
  • 勧善懲悪のわかりやすいストーリー
  • 視聴者を飽きさせない「緊張と緩和」の連続
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ジブリ映画は「主人公の成長」と「曖昧な悪」

ジブリの映画には、ディズニーのような「悪役」的な立場の人が出て来ない作品がたくさんあります。『となりのトトロ』には悪い奴は一切出てきませんよね。ジブリ映画の主眼は主人公が物語を通して成長していくことで、アメリカ的なエンターテイメント要素はほとんどありません。ディズニーのようなシンプルでわかりやすいストーリーではなくて、何回も観ることでその物語の意味がわかってくる気がします(さきいかのように噛めば噛むほど味が出てくる感じです)。

またディズニー映画のようなわかりやすい悪ーい悪役が主人公の手によって倒される、みたいなことがジブリ映画にはありません。ジブリの悪役といえば、『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐や『もののけ姫』のエボシなどが頭に思い浮かぶと思います。

ムスカ大佐はラピュタを手に入れることで世界を支配しようという野望を抱いて飛行石を狙っています。ムスカは最後のシーンで「3分間待ってやる」と言って最終的には「目がー目がー」と叫びながら海へ落ちていってしまいます。3分間待ってくれるところに優しさも垣間見られ、憎めないキャラクターです。

エボシは、人間たちが人間らしく生きられるために森を壊そうとするという信念のもとに森の神と対立します。が、いわゆる社会からのはみ出しものも平等にタタラ場で働かせるなど優しい(この言葉でまとめて良いのか疑問ですが)一面もあり、一概には悪人と決め付けられません

と作品中には悪役として登場するものの、それぞれ信念があって生きているのだと言うことが繊細に描かれているのがジブリ映画の特徴ではないかと思います。良い意味で日本的な曖昧さ(視聴者の創造力に委ねる部分がある)を残した作品が多いです。

 

ジブリ映画は、

  • 悪役が出てこない作品がある
  • 悪役も人間味があって憎めない
  • 物語を通して主人公が成長していく

ディズニーもジブリも名作揃いなので子どもたちに見せてあげようと思います。ただ、子どもに優しいストーリーなのはジブリ映画なのではないかと最近は思っています。

この週末は悪役が出てこない『魔女の宅急便』でも観ようかな。

それでは、また!

 

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